IO-Link サーキットプロテクタ REX12

DC24V サーキットプロテクタ REX12 IO-Link 適合

  •  IO-Link で生産ラインが一気通貫します。
  • サーキットプロテクタがリレーとセンサーを兼用しコストが下がります。
  • 1回路あたり 6.3㍉ という薄化デバイスでDINレールに余裕が生まれます。
  • 配線コストが激減します。

IO-Linkの要求条件とは

1) 定格電流とは別に過負荷の閾値が自由にセットできること

2) 閾値を超えると信号が発信できること

3) プロテクタのOn/OffがIO-Linkで操作できること

4) 1) - 3) の機能がIO-Linkプロトコルで相互操作できること

5) 回路の増設/削除が簡単にできること

6) EMC/EMI対策ができていること

IO-Linkモジュールの右隣に増設自由

アームレバーには接触子が内蔵され、レバーを隣のモジュールにロックすると自動的に回路が形成されます。

設置は簡単

合計40Aの容量までDINレールに連結できます。

幅わずか12.5㍉(2回路分)のデバイスは場所を取りません。

 

 

 

IO-Link で暗黙知から形式知へ

暗黙知の破綻

従来、サーキットプロテクタは負荷やケーブルを過電流から守り最悪の事態(負荷やケーブル焼損による火災)を防ぐための遮断保護装置でした。遮断後はラインのダウンタイムが発生するので速やかにその負荷の特定と修理・交換が求められ、それは保全マンの活躍の場でした。保全マンの仕事は故障によるダウンタイムの最短化で、熟練の保全マンはこれを長年の経験で予知し、故障前に交換するという暗黙知を発展させました。これが日本の製造業の大きな強みの一つだったのですが団塊の世代が第一線を去り人手不足もあり、この暗黙知は破綻しました。

形式知の普及

今のところ、REX12はDC24V/6Aまでの負荷に限定されますが(IO-Link機能なしでは10Aまで)サーキットプロテクタがIO-Linkでつながったことで負荷電流のモニターとロギングが可能となりました。

REX12は定格電流とは別に任意の電流値を過負荷としてユーザで定義し、警報電流として設定するができます。

これを超えると信号が出力され、このイベントの頻度をカウントすることで故障の予兆判断ができるようになりました。つまり熟練による暗黙知ではなく、数値化することでバスタブ曲線をデジタル化し、形式知化することが可能となったのです。

勿論、負荷電流が定格電流を超えた場合はプロテクタとして回路を確実に遮断します。

この際もリセットはローカルあるいはIO-Linkで行うことができます。

また、IO-LinkでプロテクタをOn/Offできるようになったことでリレーとして使うことも可能です。

これらの相互制御を回路の増設・削除にほぼ無関係にIO-Linkワイヤで一気通貫できる点が大きな特長です。

温度二倍則

ほとんどの電気負荷は断線故障などを除き消耗により電流値は上がっていきます。この上昇により負荷の温度が上がり加速度的に劣化が進みます。

故障の予兆点以降は温度二倍則が顕著になり、温度上昇分の倍の速度で負荷の寿命が短くなっていきます。

この二倍則が始まる点を可視化し事前に対策することで突発故障を防ぎ、生産ラインのダウンタイムを最小化できるのです。

言うまでもなくダウンタイムの最小化は生産コストの削減に大きく貢献することになります。

                                       文責 江角敏史